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簡浄

かんじょう
名詞
1
標準
文例 · 用例
繊細の事を叙するに簡浄の筆を以てした。
森鴎外 渋江抽斎 青空文庫
而シテ文ノ簡浄|紆余ナルコト殆コレニ過グ。
永井荷風 下谷叢話 青空文庫
何ヲ以テ吾人ノ心情ヲ慰スルニ足ランヤ」というごとき荘厳簡浄の文体からなっているので、いまだ少年であった私がいたく感動して、著者である呉先生の名を今でもよくおぼえていることは、極めて自然的な心の過程であったような気がしてならない。
斎藤茂吉 呉秀三先生 青空文庫
「古」即ち、過去の事といふのは、天武天皇の御事で、皇子の御父であり、吉野とも、また額田王とも御関係の深かったことであるから、そこで杜鵑を機縁として追懐せられたのが、「古に恋ふる鳥かも」という句で、簡浄の中に情緒充足し何とも言えぬ句である。
斎藤茂吉 万葉秀歌 青空文庫
○矢釣山木立も見えず降り乱る雪に驟く朝たぬしも 〔巻三・二六二〕 柿本人麿 柿本人麿が新田部皇子に献った長歌の反歌で、長歌は、「やすみしし吾|大王、高|耀る日の皇子、敷きいます大殿の上に、ひさかたの天伝ひ来る、雪じもの往きかよひつつ、いや常世まで」という簡浄なものである。
斎藤茂吉 万葉秀歌 青空文庫
上の句と下の句との聯絡が、「おもほゆるかも」で収めてあるのは、古代人的に素朴簡浄で誠によいものである。
斎藤茂吉 万葉秀歌 青空文庫
また、やはり此巻(一四八四)に、「霍公鳥いたくな鳴きそ独りゐて寐の宿らえぬに聞けば苦しも」という大伴坂上郎女の歌があるが、「吾が恋まさる」の簡浄な結句には及ばない。
斎藤茂吉 万葉秀歌 青空文庫
女の男を回避するような行為がひどく覚官的であるが、それが毫も婬靡でないのは簡浄な古語のたまものである。
斎藤茂吉 万葉秀歌 青空文庫