茄
なす
名詞
標準
文例 · 用例
それでも或日の四時過ぎに、母の云いつけで僕が背戸の茄子畑に茄子をもいで居ると、いつのまにか民子が笊を手に持って、僕の後にきていた。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
今日の縫物は肩が凝ったろう、少し休みながら茄子をもいできてくれ。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
明日|麹漬をつけるからって、お母さんがそう云うから、私飛んできました」 民子は非常に嬉しそうに元気一パイで、僕が、「それでは僕が先にきているのを民さんは知らないで来たの」 と云うと民子は、「知らなくてサ」 にこにこしながら茄子を採り始める。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
茄子畑というは、椎森の下から一重の藪を通り抜けて、家より西北に当る裏の前栽畑。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
水のように澄みきった秋の空、日は一間半ばかりの辺に傾いて、僕等二人が立って居る茄子畑を正面に照り返して居る。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
民子が体をくの字にかがめて、茄子をもぎつつあるその横顔を見て、今更のように民子の美しく可愛らしさに気がついた。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
民子は茄子を一つ手に持ちながら体を起して、「政夫さん、なに……」「何でもないけど民さんは近頃へんだからさ。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
やがて二人は茄子のもぎくらをする。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫