誘蛾灯
ゆうがとう
名詞
標準
light trap (for killing insects)
文例 · 用例
丁度十年前に私は一度これに熱中して、それ以来なのですが、いざとなつたら蜻蛉一つとりませんでした、無精になつて、夜の虫を集めるんだなんて云つてあんな誘蛾灯などまで用意したりして。
— 牧野信一 『趣味に関して』 青空文庫
恰度この頃月が落ちて湿に充ちた夜が続くので崖下の草むらにカーテンを立てゝこれから誘蛾灯を灯さうとしてゐるところである。
— 牧野信一 『魚籃坂にて』 青空文庫
私は夜見村の水車小屋の二階に籠居して創作の筆を執り、または赤松村の酒造家の蔵にみこしを据えて赤鬼となり、或ひは鬼柳村の櫟林に屯ろして誘蛾灯を点したりして、謹厳であつた。
— 牧野信一 『その村を憶ひて』 青空文庫
楊柳にたわむれる風も長閑に、岬の白い灯台のまはりを飛んでゐる鴎の群も、誘蛾灯にあつまる昆虫のやうにちいさく、こんな明るい昼日中から夜の舞踏会を待ち焦れてゐるやうに浮れて見える。
— 牧野信一 『浪曼的月評』 青空文庫
野に憧れて誘蛾灯を灯し、街裏にしけ込んで銀箔のしはぶきに咽びながら僕は、「ユリイカ」の食人種奴にひつとらへられ、飽くなき魔宴に籠絡されて、手紙なんて書ける筈のものではなかつた。
— 牧野信一 『ユリイカ・独言』 青空文庫
春の真昼時らしいのに、蜜柑の樹蔭にたゞずんでゐるルルが、誘蛾灯をもつてゐて、ちよいと此処へ来て御覧とさしまねくので、近寄つて見ると、灯火のまはりには無数の風船虫が群れ集ふてゐます。
— 牧野信一 『サンニー・サイド・ハウス』 青空文庫
ところが、合図の呼子を耳にするやいなや、全くそれは誘蛾灯に殺到する甲虫類と云はうか、野獣と申さうか例へやうのない物凄さで、ワツといふ鬨の声といつしよに、女となく男となくまつしぐらに僕の上に飛びかゝつて、あはや僕の五体はきれぎれに引き裂かれまじき勢ひだつた。
— 牧野信一 『肉桂樹』 青空文庫
その社は普段には神官も住まぬ郷社で、私はいつも二三時間も午後の真昼時を森蔭の草原に横になつてゐることもあり、時には誘蛾灯を携へて夜間採集に耽つたが、人影に出遇つた例は稀だつた。
— 牧野信一 『創作生活にて』 青空文庫
作例 · 標準
夏の夜、庭に設置した誘蛾灯にたくさんの虫が集まっていた。
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誘蛾灯の光が暗闇に浮かび上がり、どこか郷愁を誘う。
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農業では、害虫駆除のために誘蛾灯が利用されることがある。
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