遅日
ちじつ
名詞
標準
long spring day
文例 · 用例
春院いたずらに更けて、花影欄にたけなわなるを、遅日早く尽きんとする風情と見て、琴を抱いて恨み顔なるは、嫁ぎ後れたる世の常の女の習なるに、麈尾に払う折々の空音に、琵琶らしき響を琴柱に聴いて、本来ならぬ音色を興あり気に楽しむはいよいよ不思議である。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫
椽に遅日多し、世をひたすらに寒がる人は、端近く絣の前を合せる。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫
遅日影長くして光を惜まず。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫
書店の主人みずからもまた短篇小説集『遅日』を著した。
— 永井荷風 『すみだ川』 青空文庫
京の東岸西岸の柳も今は相前後して芽を吹き、南枝北枝の梅が咲けば花が散る時期はちがっているなどと話し合い、花の朝、月の夜に詩歌管絃、鞠、小弓、扇合せ、絵合せ、草尽くし、虫尽くしなど、心楽しく遊んだ思いを語り続け語り明かし、春の遅日を過すのであった。
— 第九巻 『現代語訳 平家物語』 青空文庫
遅日暖風渓色濃、車窓一望洗心胸、蘇山深処春猶浅、白雪懸天涅毘峰。
— 井上円了 『西航日録』 青空文庫
)遅日暖風渓色濃、車窓一望洗塵胸、蘇山深処春猶浅、白雪懸天涅毘峰。
— 井上円了 『南半球五万哩』 青空文庫
国境の駅の両替|遅日かな四月二十七日 藤室夫妻と再び日本人学校に赴き、日本人会にて昼食。
— 高浜虚子 『五百五十句』 青空文庫
作例 · 標準
遅日の庭で、子供たちが楽しそうに遊んでいる。
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遅日を惜しむかのように、夕食後も庭で過ごした。
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暖かい遅日は、散歩に最適な季節だ。
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