献言
けんげん
名詞
標準
文例 · 用例
彼の行為が罪に問われようとして東京裁判所の役人の前に立たせられた時、彼のわずかに申し立てたのは、かねて耶蘇教の蔓延を憂い、そのための献言も仕りたい所存であったところ、たまたま御通輦を拝して憂国の情が一時に胸に差し迫ったということであった。
— 第二部下 『夜明け前』 青空文庫
まず最初に取り上げられるものはマキャヴェリの思想、特にその政治学的権謀術策論であって、彼が、君主に権謀術策を献言することによって計らずもその欺まんの機構を暴露する結果となり、イデオロギー論の先駆をなしたゆえんが説かれる。
— 戸坂潤 『読書法』 青空文庫
バアリイは女王に決断をうながし、エドワアド・コオクこそ適任であると献言した。
— ELIZABETH AND ESSEX 『エリザベスとエセックス』 青空文庫
至急に相認め別して不都合に御座候えどもいささか寸心表白までに献言仕り候。
— 徳富蘇峰 『将来の日本』 青空文庫
彼はしばしば京師に献言せり、彼は萩藩府に勧告せり、彼は孝明天皇に向って後醍醐たらんことを希い、藩主に向って義貞、正成たらんことを望めり。
— 徳富蘇峰 『吉田松陰』 青空文庫
閑地についた彼は小野の献言によって、今まで彼とつながりのあったジャーナリストたちと一層緊密に結びつくと同時に、小野の紹介による有為の青年をことごとく彼の傘下にあつめた。
— 尾崎士郎 『早稲田大学』 青空文庫
かかる者は、草の根を分けてもひッ捕え、世人の見せしめに、極刑に処しおかねば、次々、いかなる不心得者が現われるやもしれますまい) と、例のごとき献言まで行った。
— 吉川英治 『大岡越前』 青空文庫
もちろんその言葉の範囲は、直接、献言の必要ある場合か、何か非常の時に限っていることは、いうまでもない。
— 吉川英治 『大岡越前』 青空文庫