独領
どくりょう
名詞
標準
文例 · 用例
サモアから濠洲へ、濠洲から独領西南アフリカヘ、アフリカから独逸本国へ、独逸から又ミクロネシアヘと、盥廻しに監禁護送されて来たのである。
— 中島敦 『光と風と夢』 青空文庫
とにかく新政務長官来任迄は、昔のように、英米独領事の三頭政治だ。
— 中島敦 『光と風と夢』 青空文庫
」ギボンといわれても、私にはあの浩瀚なローマ衰亡史の著者しか思い当らないのだが、よく聞くと、パラオでは相当に名の聞えたインテリ混血児(英人と土民との)で、独領時代に民俗学者クレエマア教授が調査に来ていた間も、ずっと通訳として使われていた男だという。
— ――ミクロネシヤ巡島記抄―― 『環礁』 青空文庫
それは、ゲオルヒ・バルティシュ(十六世紀ケーニヒスブルクの薬学者)の著述の中に記されているのみで、近世になってからは、一八九五年にフィッシュと云って、印度大麻の栽培を奨励した、独領東|亜弗利加会社の伝道医師のみ。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
日本海軍が赤道以北の独領諸島を掃蕩しつくしたけれど、まだドイツ東洋艦隊が南太平洋にいるという頃。
— 小栗虫太郎 『「太平洋漏水孔」漂流記』 青空文庫
そのキューネが、この五月に破天荒な旅を思いたち、独領ニューギニアのフインシャハから四千キロもはなれた、かの「宝島」の著者スチーヴンスンの終焉地、Vailima 島まで独木舟旅行を企てたのである。
— 小栗虫太郎 『「太平洋漏水孔」漂流記』 青空文庫
留守中、大戦が勃発しこの独領ニューギニアは、いま濠洲艦隊司令官の支配下にあるのが、わかった。
— 小栗虫太郎 『「太平洋漏水孔」漂流記』 青空文庫
ところが、独領ニューギニアの最北端に、“Nord-Malekula”という、荒れさびた岬がある。
— 小栗虫太郎 『「太平洋漏水孔」漂流記』 青空文庫