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断岸

だんがん
名詞
1
標準
文例 · 用例
しかし雲巌寺を出発してから行く途々、渓流に沿うて断岸の上から眼下を見れば、この渓流には瀑布もあれば、泡立ち流るる早瀬もあり、また物凄く渦巻く深淵などもあって、好奇に盥に乗って下ろうものなら、二人や三人土左衛門と改名したかも知れぬのだ。
押川春浪 本州横断 癇癪徒歩旅行 青空文庫
真の学僧|気質で、俗気が微塵ほども無く、深く名利を悪んで、断岸絶壁の如くに身の取り置きをした。
幸田露伴 連環記 青空文庫
実に断岸絶壁、近より難い、天台禅ではありながら、祖師禅のような気味のある人であった。
幸田露伴 連環記 青空文庫
此の断岸絶壁のような智識に、清浅の流れ静かにして水は玉の如き寂心が魔訶止観を学び承けようとしたのであった。
幸田露伴 連環記 青空文庫
たとえば一生懸命に断岸を攀ずる場合の如き、音楽家が熟練した曲を奏する時の如き、全く知覚の連続 perceptual train といってもよい(Stout, Manual of Psychology, p. 252)。
西田幾多郎 善の研究 青空文庫
峠に立って打見やれば、八面|嵯峨たる谷の断岸
吉川英治 新・水滸伝 青空文庫
洪水の時にでも、土を渫われて行ったらしい断岸に、楊柳の巨きなのが、根を露出して、水のうえへ屈み腰に枝を垂れている―― その樹蔭に、一|艘の舟が、繋いであった。
第一分冊 新書太閤記 青空文庫
石多く幅廣き鬼怒川の水は激怒憤越して巨人の叫ぶが如く、前岸に突出したる富士岩と名けられたる一大怪岩を掠めて左折し、更に數町の高さに及べる斷岸絶壁の下に咽び、又直流して岩石林立したる間を急駛す。
田山花袋 日光山の奧 青空文庫