競市
せりいち
名詞
標準
文例 · 用例
漁師が海から帰って来て、獲物のせり市があるのだ。
— 久坂葉子 『灰色の記憶』 青空文庫
佐吉さんの家の裏に、時々|糶市が立ちますが、私もいちど見に行って、つい目をそむけてしまいました。
— 太宰治 『老ハイデルベルヒ』 青空文庫
私はつい先達青森縣|木造の有名な馬の糶市を見て、その盛んな景況に驚き、馬市の立つ期間のお祭騷ぎのやうな町の賑はひを物珍しく感じて來たものだが、この糶市では二歳駒が四百圓ぐらゐで賣買されることが珍しくなかつた。
— 島木健作 『東旭川村にて』 青空文庫
或日平秩東作の随筆水の行衛を持つて来たついでに、仲間の糶市に偶然わたくしの若い時分の手紙が出たからと言つて、二通の封書を見せてくれた。
— 永井荷風 『来訪者』 青空文庫
誰かが火が付くように拍手すると、部屋の中の人間の半分ほどは、それに伴れて、パチパチと手を叩きます、何んと言う不思議な糶市だったでしょう。
— 第二夜 匂う踊り子 『新奇談クラブ』 青空文庫
いま糶市の喧騷はあさましく垢づきし各※の紙幣をもてとりひきす。
— 佐藤春夫 『佐藤春夫詩集』 青空文庫