非常手段
ひじょうしゅだん
名詞
標準
emergency measures
文例 · 用例
第二十四回 輕氣球の飛行絶島の鬼とならねばならぬ――非常手段――私が參ります――無言のわかれ――心で泣いたよ――住馴れた朝日島は遠く/\ 私はつく/″\と考へたが、今度といふ今度こそは、とても免れぬ天の禍であらう。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
彼は遂に非常手段を案じ出したのである。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
兎に角打つなんということは非常手段ですから、教師だから打っても好い、夫だから打っても好いというように、法則にして置くのは不都合でしょう。
— 森鴎外 『蛇』 青空文庫
今は非常手段に訴えるより途はなかろう」この様な論議が各村庄屋の寄合の席で持ち出される。
— 菊池寛 『島原の乱』 青空文庫
彼は騒げる色も無く、「何を為るのです」「始末をして遣つたのだ」「遊佐さん、それでは手形もお出し下さらんのですな」 彼は間が非常手段を取らんとするよ、と心陰に懼を作して、「いやさう云ふ訳ぢやない……」 蒲田は※と膝を前めて、「いや、さう云ふ訳だ!
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
こんな非常手段を遣るくらゐだから、必ず非常の目的が有つて存するのだらう」 秋の日は忽ち黄昏れて、稍早けれど燈を入るるとともに、用意の酒肴は順を逐ひて運び出されぬ。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
奥さん、貴方が音頭をお取んなさいましよ――いいえ、本当に」 小心なる遊佐はこの非常手段を極悪大罪と心安からず覚ゆるなれど、蒲田が一切を引受けて見事に埒開けんといふに励されて、さては一生の怨敵退散の賀と、各漫に前む膝を聚めて、長夜の宴を催さんとぞ犇いたる。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
この遣る瀬ない寂しさを打ち消すには、理屈も人情もない、なにか非常手段を取らなければならないように思われた。
— 岡本綺堂 『籠釣瓶』 青空文庫