叉
また
名詞
標準
文例 · 用例
まづしい人人の群で混雜する、あの三叉の狹い通りは、ふしぎに私の空想を呼び起す。
— 萩原朔太郎 『散文詩・詩的散文』 青空文庫
まづしい人人の群で混雑する、あの三叉の狭い通りは、ふしぎに私の空想を呼び起す。
— 萩原朔太郎 『散文詩集『田舎の時計 他十二篇』』 青空文庫
そう言う私だとて病人づらをして、世評などは、と涼しげにいやいやをして見せながらも、内心|如夜叉、敵を論破するためには私立探偵を十円くらいでたのんで来て、その論敵の氏と育ちと学問と素行と病気と失敗とを赤裸々に洗わせ、それを参考にしてそろそろとおのれの論陣をかためて行く。
— ――当りまえのことを当りまえに語る。 『もの思う葦』 青空文庫
」路傍に、金色夜叉の石碑が立っている。
— 太宰治 『秋風記』 青空文庫
時々休んで何か捜すような様子をするかと思うとまた急いで下りて行く、とうとう枝の二叉に別れたところまで来ると、そこから別の枝に移って今度は逆に上の方へ向いて彼の不細工な重そうな簑を引きずり引きずり這って行くのであった。
— 寺田寅彦 『小さな出来事』 青空文庫
上富士前の交叉点で乗込んだ人々の中に四十前後の色の黒い婦人が居た。
— 寺田寅彦 『さまよえるユダヤ人の手記より』 青空文庫
ウツボグサの紫花の四本の雄蕊は尖端が二た叉になっていて、その一方の叉には葯があるのに他の一方はそれがなくて尖ったままで反り曲っている。
— 寺田寅彦 『高原』 青空文庫
去年見た新解釈「金色夜叉」の芝居で柳永二郎の富山がお宮の母と貫一の絶縁条件を値踏みしなが「二万円もやりぁいいでしょう」と云ったあの舞台面は多分ここをモデルにしたものらしいと思われた。
— 寺田寅彦 『箱根熱海バス紀行』 青空文庫