非天
ひてん
名詞
標準
文例 · 用例
この中心の円より外の輪に五、六の半径線を引いてその間に天・人・餓鬼・畜生・地獄の五趣、チベットでは、非天を加えて六趣を画く(『仏教大辞彙』一巻一三三八頁に対する図版参照。
— 猪に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
それで博士の卓越した理論も、非天才的に、生彩なく、平面的に、見えて来るのである。
— 戸坂潤 『現代哲学講話』 青空文庫
実際、文芸は美術や音楽に較べて、感官感覚的技術に制約されることが少なく、その意味に於て(カントの意味に従って)、非天才的であり、正に学び得る処の文学なのである。
— 戸坂潤 『思想としての文学』 青空文庫
何でも是非天狗に入れてくれというんでしょう。
— 三好十郎 『斬られの仙太』 青空文庫
是非天地を證據にいたすべし。
— 西郷隆盛 『遺訓』 青空文庫
赭土の道に豆粒をまくように穴をあけてつきささるはげしい雨脚を眺めながら、彦太郎は、ひょっくり、吃りの天野久太郎のことを思い出し、今夜は是非天野を説得して組合のことを協議しなければならぬ、と思った。
— 火野葦平 『糞尿譚』 青空文庫
なぜといって、僕の俗人的良心こそは、僕をしてあらゆる芸術生活、あらゆる異常性、あらゆる天才のなかに、あるはなはだ曖昧な、はなはだ怪しげな、はなはだ疑わしいものを見出させ、単純な誠実な、安易で尋常な、非天才的な紳士的なものに対する、あのおぼれ心地の偏愛で、僕の胸をいっぱいにするものなのですから。
— TONIO KROGER 『トニオ・クレエゲル』 青空文庫