寝取
ねとり
名詞
標準
文例 · 用例
)「雪がちらちら雨まじりで降る中を、破れた蛇目傘で、見すぼらしい半纏で、意気にやつれた画師さんの細君が、男を寝取った情婦とも言わず、お艶様――本妻が、その体では、情婦だって工面は悪うございます。
— 泉鏡花 『眉かくしの霊』 青空文庫
その顔をちらと見た途端、京吉もはじめて、坂野が知らぬ間に銀ちゃんに細君を寝取られていたというホットニュースを想い出して、「うえッ!
— 織田作之助 『土曜夫人』 青空文庫
最近に妻を寝取られた一人の男がこの企に加わった。
— 中島敦 『狐憑』 青空文庫
たとい身腹は分けずとも、仮りにも親と名のつく者の男を寝取るとは何事であると、お福は明け暮れにおらちを責めた。
— 岡本綺堂 『馬妖記』 青空文庫
妾に八公を寝取られたくせに!
— 国枝史郎 『任侠二刀流』 青空文庫
然るに、近代に至つて、フアアスは立派に、悲劇、喜劇と並んで、劇文学の一分野を占め、クロムランクの『堂々と妻を寝取られる男』の如きは、大戦後欧洲の劇界に、しかも、先駆的劇壇に於て、文字通り一大センセイシヨンを惹起したほどである。
— 岸田國士 『戯曲集『鴉』の印象』 青空文庫
コキュ(Cocu)といふ言葉は、「妻を寝取られた男」を意味し、仏蘭西の芝居は、昔から、屡※これを好箇の「劇的人物」として取り扱つた。
— 岸田國士 『クロムランクとベルナアルに就いて』 青空文庫
真実お前が旦那を寝取る。
— 清水紫琴 『したゆく水』 青空文庫