髪床
かみどこ
名詞
標準
barber
文例 · 用例
2さは思へ、さは思へ、一時ののち……五時過ぎの夕日黄色く、溝板に、髪床の硝子障子に、料理屋の軒の点らぬ角燈に、露台の青くさき芥子のにほひに、照りあかり、羽虫ぞ舞へる、甘げなる線の粘りのうちもつれやはらかに交へるかれら。
— 北原白秋 『浅草哀歌』 青空文庫
この男があるとき、まだ馴染のない理髪床へ鬚を剃りに入って往ったことがあった。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
おまえは髪床へいって、朝湯へ回って、たいそうごきげんうるわしくおめかしをしていたはずだが、違うのかい」「もうそれだ。
— 袈裟切り太夫 『右門捕物帖』 青空文庫
だから、あっしだって、髪床へも行くときがあろうし、朝湯にだっても出かけるときがあるんだからね、いこうとすると、途中でばったり出会ったんですよ。
— 袈裟切り太夫 『右門捕物帖』 青空文庫
どろぼうを見てなわをなうんじゃあるめえし、あわてて髪床や朝湯に行くひまがあったら、さるしばいも見ておくもんだせ、見たからこそピンと否やなく眼がくるんだからな、どうだい、これで堪能したかい」
— 袈裟切り太夫 『右門捕物帖』 青空文庫
髪床は人の寄り場所、したがって世間のことを少々――」「なるほど。
— 幽霊を買った退屈男 『旗本退屈男 第十話』 青空文庫
それは髪床の鏡よりももっと大きく、天井から床にまで達する大姿見で、幅も二間ほどあり、その欄間には凝った重い織物で出来ている幅の狭いカーテンが左右に走っていた。
— 海野十三 『不思議なる空間断層』 青空文庫
奥に入ると、髪床にあるような大きな鏡が壁を蔽っていたり、変に印象的な赤い絨毯があったり、それから椅子セットの単純な色合といい、配置といい、また花についてでもそれを云うことが出来る。
— 海野十三 『不思議なる空間断層』 青空文庫
作例 · 標準
長屋の衆が集まって噂話に花を咲かせるのは、いつの時代も髪床の中と決まっている。
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「おい、ちょっと髪床へ行って、このボサボサの頭をさっぱりさせてくるわ」
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江戸の町角にある髪床では、髪を整えるだけでなく簡単な外科処置も行われていたらしい。
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髪床の主人が手際よく剃刀を研ぐ音が、静かな午後の店内に響いている。
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