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肉的

にくてき
形容動詞
1
標準
physical
文例 · 用例
その當時、悦びで有頂天になつた自分の姿が、あさましくも馬鹿らしくも思はれた、『あれはやつぱり一種の病熱からみた幻影にすぎなかつたのぢやないか』『あれは何でもない錯覺の類ぢやないのか』『自分は喜劇を演じたのぢやなかつたか』かういふ疑問が私を皮肉的に嘲笑し始めた。
萩原朔太郎 散文詩・詩的散文 青空文庫
(後記)王朝時代の末期になつて、文化の爛熟による人間の官能と情感がいやが上にも発達し、現実的には高度の美意識による肉的なものを追ひ求める一方、歓楽極まつて哀愁生ずる譬へ通り、人々、省己嫌厭の不安から崇高な求道の志を反比例に募らせる。
岡本かの子 老主の一時期 青空文庫
わたくしが不思議に思ったのは、この弟の笑い声は全く意趣も含みもない、たゞ簡単なおかしさが筋肉的に口を開けさして少し寂しく声帯をから鳴らしているだけにしか受取れなかったことでした。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
水島が彼にむかつて、彼女とは現在でも、肉的な交際がないと誇りらしい表情で、打開けたとき、彼は鳶に不意に頭骸骨を空にさらはれたかのやうな、気抜けな有様で、穴のあくほど水島の顔を、暫らくは凝然見てゐた。
小説 小熊秀雄全集−15− 青空文庫
かういふ風にちよつとは皮肉的に考へられんことはないが、しかしそれですましては置けない。
田山録弥 心理の縦断 青空文庫
驚きの表情はすぐ葉子の顔から消えて、妖婦にのみ見る極端に肉的な蠱惑の微笑がそれに代わって浮かみ出した。
有島武郎 或る女 青空文庫
パウロが「すでにわれ生けるにあらず基督我にありて生けるなり」といったように、肉的生命の凡てを十字架に釘付け了りて独り神に由りて生きんとするの情である。
西田幾多郎 善の研究 青空文庫
ジイドは、この「アンドレ・ワルテル」の中に、青年のうちに荒れ狂う肉的なものに対する戦いを表現しようとした。
宮本百合子 ジイドとそのソヴェト旅行記 青空文庫
作例 · 標準
その修行は、精神だけでなく、肉的な鍛錬も要求された。
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肉的(にくてき) — 幻辞.com