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新府

しんぷ
名詞
1
標準
文例 · 用例
昨夜辞新府、今朝到北陲、車窓何所見、草野緑無涯。
井上円了 西航日録 青空文庫
(昨夜|新府を離れて、今朝は北辺の地に至る。
井上円了 西航日録 青空文庫
そこは釜無川の東がわで、川上のほうには、むかし武田勝頼の拠った、新府城の址がある。
山本周五郎 山彦乙女 青空文庫
新府繁昌記一 その年の鎌倉は、石曳き謡や手斧の音に暮れ、初春も手斧のひびきや石工の謡から明け初めた。
吉川英治 源頼朝 青空文庫
妻子を連れたり、弟子たちを従えたり、道具を担ったりした鍛冶、漆工、指物師、大工、屋根葺き、機織娘、彫刻師、染工などから、馬の群れを曳いた牧の者、僧の群れをつれた寺院の徒、女の群れをつれてゆく何商売か知れない人間たちまでが――相模の新府をさしてみな将来の生計を植えつけるべく流れて行く。
吉川英治 源頼朝 青空文庫
鎌倉の新府には今、その骨太い性格の持主ばかりが、何万となくひとつに住んで、事ごとに搏撃しあっていた。
吉川英治 源頼朝 青空文庫
ご一門はどうなされた」「はい……」左文次はハラハラと涙をこぼして、「ざんねんながら、新府のお館はまたたくまに落城です。
吉川英治 神州天馬侠 青空文庫
二 天正十年の春も早くから、木曾口、信濃口、駿河口の八ぽうから、甲斐の盆地へさかおとしに攻めこんだ織田徳川の連合軍は、野火のようないきおいで、武田勝頼父子、典厩信豊、その他の一族を、新府城から天目山へ追いつめて、ひとりのこさず討ちとってしまえと、きびしい軍令のもとに、残党を狩りたてていた。
吉川英治 神州天馬侠 青空文庫