双の手
そうのて
名詞
標準
both hands
文例 · 用例
乱れた金髪を双の手に掻き乱して空を仰いだ顔には絶望の色がある。
— 寺田寅彦 『ある幻想曲の序』 青空文庫
美人は其の横に、机を控へて、行燈を傍に、背を細く、裳をすらりと、なよやかに薄い絹の掻巻を肩から羽織つて、両袖を下へ忘れた、双の手を包んだ友染で、清らかな頸から頬杖支いて、繰拡げたペイジを凝と読入つたのが、態度で経文を誦するとは思へぬけれども、神々しく、媚めかしく、然も婀娜めいて見えたのである。
— 泉鏡花 『貴婦人』 青空文庫
あな忌々し、とく去ねよ、さて、また次のなれが面、みれば麗容うつろひて、悲、削ぎしやつれがほ、指組み絞り胸隠す双の手振の怪しきは、饐ゑたる血にぞ、怨恨の毒ながすなるくち蝮を掩はむためのすさびかな。
— 上田敏 『海潮音』 青空文庫
あな忌々し、とく去ねよ、さて、また次のなれが面、みれば麗容うつろひて、悲削ぎしやつれがほ、指組み絞り胸隱くす双の手振の怪しきは、饐えたる血にぞ、怨恨の毒ながすなるくち蝮を掩はむためのすさびかな。
— 上田敏 『海潮音』 青空文庫
無双の手利き、恐ろしい奴だ。
— 国枝史郎 『剣侠受難』 青空文庫
レオナルドの裸にしても、その双の手と、双の足を心持ち開いて、どつしりと立つてゐる感じは永遠の安定を思はせ、その線やその黒白のトンは比重の感じを持つてゐる。
— 岸田劉生 『美術上の婦人』 青空文庫
「評判に違わぬ無双の手練、今投げた鉄槌の凄じさは何んと云ったらよかろうか。
— 国枝史郎 『神州纐纈城』 青空文庫
……が、九十郎、九十郎如きは、剣鬼、無双の手利きながら、惜しくない奴、小人に過ぎぬ。
— 国枝史郎 『血煙天明陣』 青空文庫
作例 · 標準
赤ん坊が双の手を広げて、私の方へ一生懸命にハイハイしてきた。
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職人は双の手を巧みに使い、粘土の塊から美しい壺を形作っていく。
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感謝の気持ちを込めて、彼女は双の手で私の手をしっかりと握り締めた。
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