惚け
とぼけ
名詞頻度ランク #29961 · 青空 12 例
標準
feigned ignorance
文例 · 用例
三 朝霧が山村を罩めて、鶏の声が、霧の底から聞える、黄色い南瓜の花に、まだ夢が残つてゐるかして、寝惚けた姿をしだらなく大地に投げ出してゐる、ぼツと白壁が明るくなる、森がうつすらと、烟つぽい緑を、向うの山の懐に、だんだら、染めに浮かせる、起き上つて支度をする頃は、方々の家から、軽い炊煙が立ちはじめた。
— 小島烏水 『天竜川』 青空文庫
それともいくら分析してもどこまでも不飽和な寝惚けた鼠色に過ぎないだろうか。
— 寺田寅彦 『帝展を見ざるの記』 青空文庫
汽車に揺られて、節々が痛む上に、半分寐惚けて、停車場に降りた。
— リルケ Rainer Maria Rilke 『白』 青空文庫
それから、跡を追っ掛けて来るものでもあるように、燈の光のぼんやり差している廊下を、寐惚けた役人の前を横切って、急いで通って、出口に来た。
— リルケ Rainer Maria Rilke 『白』 青空文庫
さて、その事を話し出すと、それ、案の定、天井睨みの上睡りで、ト先ず空惚けて、漸と気が付いた顔色で、「はあ、あの江戸絵かね、十六、七年、やがて二昔、久しいもんでさ、あったっけかな。
— 泉鏡花 『国貞えがく』 青空文庫
またお座敷には、奥方様の他に誰方もおいでがないと、目を丸くして申しますので、何を寝惚けおるぞ、汝が薄眠い顔をしておるで、お遊びなされたであろ、なぞと叱言を申しましたが、女いいまするには、なかなか、洒落を遊ばす御様子ではないと、真顔でござりますについて、ええ、何より証拠、土間を見ましてございます。
— 泉鏡花 『伊勢之巻』 青空文庫
」 と寝惚けたように云うと斉しく、これも嫁入を恍惚視めて、あたかもその前に立合わせた、つい居廻りで湯帰りらしい、島田の乱れた、濡手拭を下げた娘の裾へ、やにわに一束の線香を押着けたのは、あるが中にも、幻のような坊様で。
— 泉鏡花 『露肆』 青空文庫
」と、わざと空惚けた事を云う。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
作例 · 標準
彼は核心を突かれると、いつも惚けを決め込んで逃げようとする。
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その見え透いた惚けに、周りの誰もが呆れ顔を見せた。
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嘘がバレそうになった時、苦し紛れの惚けでその場を凌いだ。
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