戦野
せんや
名詞
標準
battlefield
文例 · 用例
斯の如くして彼は、帝室劇詩人の栄職を捨て、父母を離れ、恋人に袂別して、血と剣の戦野に奮進しぬ。
— 石川啄木 『渋民村より』 青空文庫
この作家は、他の何人かの作家と共に応召して戦野に赴いた一人であり、応召までの文学的経験もあって、その「糞尿譚」は文芸春秋社の芥川賞に当選した。
— 宮本百合子 『昭和の十四年間』 青空文庫
たとえば五十年営々と零細な貯蓄をして老後の安穏を願っていた人とか、親ゆずりの多少の家産でともかく今日まで平和であった平凡な家庭などで、虎の子を戦火にやかれる、肉親の誰かを戦野で失う、政治を呪い世を呪う事々の呟きが次第に一家の雰囲気をつくり、性格をつくって行くのである。
— 坂口安吾 『ヤミ論語』 青空文庫
私は帝銀事件に戦野を思う。
— 坂口安吾 『帝銀事件を論ず』 青空文庫
私はそこに、戦野の匂いをかぎ、五月のうららかな陽ざしの下で屍人の帽子をポイと投げる無心な健康な原色的な風景を思いだす。
— 坂口安吾 『帝銀事件を論ず』 青空文庫
然し、実際の心情は現実の快楽に執着しすぎ、戦野の労苦に堪へる心がなかつたのだ。
— 坂口安吾 『我鬼』 青空文庫
一生の遺恨をこめた二ヶ月の戦野も夢はめぐる枯野のごとく、今はたゞ冷かに見る如水であつた。
— 坂口安吾 『二流の人』 青空文庫
余は彼らを再び戦野に駈り立てるに忍びないのである。
— ――越後守安吾将軍の奮戦記―― 『決戦川中島 上杉謙信の巻』 青空文庫
作例 · 標準
戦野に響く砲声が、兵士たちの心を奮い立たせた。
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