柘榴口
ざくろぐち
名詞
標準
low door used in bathhouses to prevent the hot water from cooling (Edo period)
文例 · 用例
半七は柘榴口へはいって体を湿していると、湯気にとざされていた風呂のなかで、男同士の話し声がきこえた。
— 大森の鶏 『半七捕物帳』 青空文庫
「ゆうべはお前さんは、鳥亀とかいう軍鶏屋の話をしなすっていたね」「じゃあ、お前さんも聴いておいでなすったのですか」「柘榴口のなかで聴いていましたよ。
— 大森の鶏 『半七捕物帳』 青空文庫
武者絵を描いた柘榴口のなかで都々逸の声は陽気らしくきこえたが、客は四、五人に過ぎなかった。
— 湯屋の二階 『半七捕物帳』 青空文庫
* 浴槽は高く作られて、踏み板を越えて這入るのが習で、その前には柘榴口というものが立っているから、浴客は柘榴口をくぐり、更に踏み板を越えて浴槽に入るのである。
— 岡本綺堂 『明治時代の湯屋』 青空文庫
それでも柘榴口が取払われて、浴槽内の演芸会はだんだんに衰えた。
— 岡本綺堂 『明治時代の湯屋』 青空文庫
柘榴口を潜って這入るのです。
— その頃の床屋と湯屋のはなし 『幕末維新懐古談』 青空文庫
……柘榴口というのは、妙な言葉だが、昔から、鏡磨ぎ師は柘榴の実を使用ったもの、古い絵草子などにも鏡|研ぎの側には柘榴の実がよく描いてある……でその名の意は、屈み入る(鏡入る)の洒落から来たもの、……むかしはすべてこう雅なことをいったものです。
— その頃の床屋と湯屋のはなし 『幕末維新懐古談』 青空文庫
女中が一緒に付いて来たんですが、こいつが柘榴口の中で町内の人と何かおしゃべりをしている間に、勘蔵がこっそりと娘の耳へ吹き込んでしまったんです。
— 熊の死骸 『半七捕物帳』 青空文庫
作例 · 標準
江戸時代の銭湯では、湯気を逃さないための柘榴口をくぐって湯船に入った。
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柘榴口の奥は薄暗く、当時の人々は手探りで入浴を楽しんでいたようだ。
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歴史資料館で再現された柘榴口を見て、当時の暮らしに思いを馳せた。
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