安き
やすき
名詞
標準
rest
文例 · 用例
四辺の林もしばしはこの青年に安き眠りを借さばやと、枝頭そよがず、寂として音なし。
— 国木田独歩 『わかれ』 青空文庫
畢竟はそういうものをいかにして取り扱ってよいかという見当がつかなかったせいもあろうが、一つにはまた物理学がその「伝統の岩窟」にはまり込んで安きを偸んでいたためとも言われうる。
— 寺田寅彦 『備忘録』 青空文庫
既に夜深く、加ふるに當夜は浪穩にして、船に些の動搖もなければ、船客の多數は既に安き夢に入つたのであらう、たゞ蒸※機關の響のかまびすしきと、折々當番の船員が靴音高く甲板に往來するのが聽ゆるのみである。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
乗り合いは前後に俯仰し、左右に頽れて、片時も安き心はなく、今にもこの車|顛覆るか、ただしはその身投げ落とさるるか。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
伊丹の城主、荒木村重につかえて横目役を勤め、年久しく主家を泰山の安きに置いた。
— 太宰治 『新釈諸国噺』 青空文庫
曰く、吾等此より安きを獲んと。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
心の中はいざ知らず、袈裟に枯木の身を包みて、山水に白雲の跡を逐い、或は草庵、或は茅店に、閑坐し漫遊したまえるが、燕王今は皇帝なり、万乗の尊に居りて、一身の安き無し。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
予をして爾く速かに入院の決心をなすべく誘つたものは、夜寢てさへも安き眠りを許さぬ程に壓迫するその腹でも、また青柳學士の口から出た予の生命に對する脅迫の言葉でもなく、實に予をして僅かに一日の休養さへも意に任せさせぬ忙がしい生活そのものであつた。
— 石川啄木 『第十八號室より』 青空文庫
作例 · 標準
戦後の人々は、ようやく安きを得て平和な生活を送れるようになった。
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安きを求めて、彼は故郷を離れ都会へと出た。
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この場所は、心が安きを取り戻せるような静けさがある。
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