庖厨
ほうちゅう
名詞
標準
kitchen
文例 · 用例
故に君子は庖厨を遠ざく……こりゃ分るまいが、大尽は茶屋の構の大からんことを望むのだとね。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
彼女はお茶を一ぱい飲んでちょっと休み、それから夕飯の準備にかかろうと思って、庖厨の庭から入り、上にあがろうとすると、椀へ入れた黍の餅が眼に注いた。
— 田中貢太郎 『地獄の使』 青空文庫
(まあ、いい、いずれ判るろうから、判った時に礼を云うとして、お爺さんにあげて置いて、後で戴くとしよう) 老婆はあがって餅の椀を持って次の室へ往き、其処の仏壇に供えて、庖厨の竈の前へ戻り、肥った体を横坐りにして、茶釜から冷たい茶を汲んで飲んだ。
— 田中貢太郎 『地獄の使』 青空文庫
(餅は寝しなに喫おう、今、喫っては旨くないから) 老婆は庖厨へ戻って、行灯を点け、その灯で夕飯の箸を執った。
— 田中貢太郎 『地獄の使』 青空文庫
「なるほど、叩くな、何人だろう」 伯父さんはやっとこさ起きあがって、暗い中をさぐりさぐり庖厨の方へ往って土間へおり、足でさなずって下駄と草履をかたかたに履いて、其処の戸を放して裏口へ出た。
— 田中貢太郎 『餅を喫う』 青空文庫
二人は暗い中を庖厨の方へ往って其処から裏口へ出たが、二人はもう黙りあって何も云わなかった。
— 田中貢太郎 『餅を喫う』 青空文庫
某日お岩が庖厨の庭にいると、煙草屋の茂助と云う刻み煙草を売る男が入って来た。
— 田中貢太郎 『四谷怪談』 青空文庫
小三郎は養父の二七日の日になって法事をしたところで、翌朝六つ時分になって庖厨に火を焼く者があった。
— 田中貢太郎 『四谷怪談』 青空文庫
作例 · 標準
老舗料亭の庖厨からは、朝早くから出汁の香りと包丁の音が絶え間なく聞こえてくる。
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君子庖厨に近からずと言うが、彼は料理が好きで毎晩のように台所に立っている。
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古民家を改装したレストランは、昔ながらの庖厨の雰囲気を残しつつモダンな設備を取り入れていた。
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