あたためる
あたためる
動詞
標準
文例 · 用例
私は故郷の津軽で、約一年三箇月間、所謂疎開生活をして、そうして昨年の十一月に、また東京へ舞い戻って来て、久し振りで東京のさまざまの知人たちと旧交をあたためる事を得たわけであるが、細田氏の突然の来訪は、その中でも最も印象の深いものであった。
— 太宰治 『女神』 青空文庫
あたためるには及びませんよ。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
この時代として最重要であったことは、「卵大」のガラス球についた「藁ぐらいの大きさの」管を水中に入れて「あたためると」ぶくぶく「泡が出」、冷やすと水が管中に「上る」ことであった。
— 寺田寅彦 『量的と質的と統計的と』 青空文庫
しいて旧情をあたためることに同意をさせても、自分ながらもまた女を恨めしがらせる結果にならないとは保証ができないというように源氏は思っていたし、女の家へ通うことなども今では人目を引くことが多くなっていることでもあって、待つと言わない人をしいて訪ねて行くことはしなかった。
— 澪標 『源氏物語』 青空文庫
土を掘り起しながら、いろいろな計畫を駿介は胸にあたためる。
— 島木健作 『生活の探求』 青空文庫
すると、ゲルダは長靴ばかりか、手をあたためるマフまでも、いただきました。
— ――七つのお話からできている物語―― 『雪の女王』 青空文庫
そこで手紙が来た時だけは、しばらくこの世界に※徊して旧歓をあたためる。
— 夏目漱石 『三四郎』 青空文庫
たましひをあたためる銀の鈴が鳴る。
— 大手拓次 『藍色の蟇』 青空文庫