蚶
きさ
名詞
標準
blood clam (Scapharca broughtonii)
文例 · 用例
すると、高皇産霊神は、蚶貝媛、蛤貝媛と名のついた、あかがいとはまぐりの二人の貝を、すぐに下界へおくだしになりました。
— 鈴木三重吉 『古事記物語』 青空文庫
その夕方、私も彼と共に老酒を飲みながら大石蟹をつっつき、槍蝦をかじり、蚶子をほじくった。
— 豊島与志雄 『秦の憂愁』 青空文庫
常寧殿の后町井や、御湯殿の下から出たと言ふ蚶気絵と言ふ笙の伝説などを考へ併せると、愈きさきと御禊との関係が考へられる(民俗学篇第一冊「水の女」参照)。
— 折口信夫 『万葉集研究』 青空文庫
今日は其潟が悉く水田になつてしまつて、當時此風景の中心であつた蚶滿寺といふ寺なども、今は枯木寒草の中に埋められて荒廢を極めて居るのです。
— 柳田國男 『潟に關する聯想』 青空文庫
〔こはドロミット洞窟の〕宮沢賢治こはドロミット洞窟のけ寒く硬き床なるを幾箇の環を嵌められし巨人の白き隻脚ぞかくて十二の十年は事なきさまに燃え過ぐる
— 宮沢賢治 『〔こはドロミット洞窟の〕』 青空文庫
で此の場合、仮りに一私人が罷り出たとして、放校された生徒に同情するとしますと、では、中学生が、イヤな病気になるやうなことをしてもよいといふのか、なぞといふことになつて、凡そ「病気軽重と処分軽重」の問題とは、外れた所に文句の花が咲きさうであることはお分り下さる所でせう。
— 中原中也 『我邦感傷主義寸感』 青空文庫
ナニ、当人は自分の交遊がスラスラ行きさへすれば好いのだ。
— 中原中也 『非文学的文士』 青空文庫
柿は、こんな大きさで、こんな色をして、しかも秋に実るものであるから、これこれの意味であろうなど、ああ死ぬるほどいやらしい。
— 太宰治 『多頭蛇哲学』 青空文庫
作例 · 標準
古事記の神話では、火傷を負った大国主を救うために蚶貝比売(きさがいひめ)が赤貝の殻を削って粉を作ったと伝えられている。
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出雲地方の伝承を辿ると、蚶(きさ)の殻が古くから薬として重宝されていた歴史を垣間見ることができる。
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