木具
きぐ
名詞
標準
文例 · 用例
眞白い壁と薄樺色に塗られた木具とに、室の中は明るく柔かに沈んで、十字架の基督の像を挾んだ二人の聖者の像が正面の高壇にぢつと立つてゐた。
— 南部修太郎 『修道院の秋』 青空文庫
膳椀何人前と書いた紙を、塚なり、洞なり、淵なりへ投げこんで置くと、其翌日は、必註文どほりの木具の数を揃へて、穴の口や、岩の上などに出してあつた。
— 折口信夫 『河童の話』 青空文庫
一年に一度、数年に一度の客ぶるまひの為に、何十人前かの木具を揃へて蔵して居る家が多かつた。
— 折口信夫 『河童の話』 青空文庫
此話の、さう近代出来でない様子から見ても、小まへ百姓などが、木具の膳椀で、客をする夢も見なかつた頃にも既にあつたらしいことは、鑑定がつく。
— 折口信夫 『河童の話』 青空文庫
其では、その前の漆塗りの木具のなかつた時代には、此話はなかつたかと言ふと、其頃相応な客席の食器を考へてゐた事も考へられる。
— 折口信夫 『河童の話』 青空文庫
椀貸し穴の、椀を貸さなくなつた原因を、木具の紛失で説いたのも、此印象が去り難かつた為であらう。
— 折口信夫 『河童の話』 青空文庫
木具の古びを見ても、此家の長い歴史が思はれる。
— 折口信夫 『河童の話』 青空文庫
何処に蔵つてあるとも、家族さへ知らぬ木具類が、時あつて忽然として、とり出されて来る。
— 折口信夫 『河童の話』 青空文庫