雄牛
おうし
名詞
標準
文例 · 用例
弘法大師が羝羊心(羝羊は雄牛。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
煤煙に汚れた赤|煉瓦の建物が、重々しく麦畑の上に、雄牛のように横たわっていた。
— 佐左木俊郎 『汽笛』 青空文庫
夥しい庭石や石燈籠の類を積んだ大きな荷車を、逞ましい雄牛に曳かして來るのにも逢つた。
— 上司小劍 『東光院』 青空文庫
やがて二人は丘を登って右に曲がろうとすると、そこにまた雄牛が一匹立っているのに出会いました。
— ストリンドベルヒ August Strindberg 『真夏の夢』 青空文庫
「神様、私の命をおめしになるとも、この子の命だけはお助けください」 といのると、頭の上で羽ばたきの音がしますから、見上げると、白鳩が村の方に飛んで行って雄牛のすがたはもうありませんでした。
— ストリンドベルヒ August Strindberg 『真夏の夢』 青空文庫
それは丁度傷ついた雄牛のような凄まじさでした。
— 怪盗系図 『銭形平次捕物控』 青空文庫
それからこの青い捲毛の神に属している雄牛どももやってきた――ほえたけってはやがけしながら、つのをさげたままで。
— DER TOD IN VENEDIG 『ヴェニスに死す』 青空文庫
雄牛のような躯つきで、肩には肉が瘤のようにもりあがってい、汐風や陽やけのためではなく、生れつきらしい赤黒い顔に、眼と口とがばかげて大きく、そして鋸の目をたてるときのような、耳ざわりな声をしていた。
— 山本周五郎 『さぶ』 青空文庫