旅窶れ
たびやつれ
名詞
標準
文例 · 用例
やがて、紺絣に兵兒帶といふ、其の上、旅窶れのした見すぼらしいのが、おづ/\と其へ出た。
— 泉鏡太郎 『畫の裡』 青空文庫
笈摺も古ぼけて、旅窶れのした風で、白の脚絆も埃に塗れて狐色になっている。
— 二葉亭四迷 『平凡』 青空文庫
そぼろな、旅窶れのした姿の旅人が、美しい錦の袋を大切さうに胸に下げてゐるので、胡麻の蠅が二人すぐ後に附いた。
— 初出未詳 『茶話』 青空文庫
こうして山の上に来ている自分等のことを思うと、灰色の脚絆に古足袋を穿いた、旅窶れのした女の乞食姿にも、心を引かれる。
— 島崎藤村 『千曲川のスケッチ』 青空文庫
旅窶れのした書生体の男が自分の前に立った。
— 島崎藤村 『朝飯』 青空文庫
ある村へさしかゝつた頃、吾儕は車の上から四十ばかりに成る旅窶れのした女に逢つた。
— 島崎藤村 『伊豆の旅』 青空文庫
江戸から、広島へ、広島から、大阪、奈良へと、己の身体を匿すのに忙がしかった又五郎は、すっかり、陽に灼けて、旅窶れがしていた。
— 直木三十五 『寛永武道鑑』 青空文庫
傷ましい旅窶れのしたその様子で。
— 島崎藤村 『新生』 青空文庫