枝垂れ桜
しだれざくら
名詞
標準
文例 · 用例
『鶯邨画譜』の方に枝垂れ桜の画があつてその木の枝を僅かに二、三本画いたばかりで枝全体には悉く小さな薄赤い蕾が附いて居る。
— 正岡子規 『病牀六尺』 青空文庫
舞台下手には、大きな桜の木、これの花にもなぞらえてあるのでございましょうか、舞台正面の天井からは枝垂れ桜の、花のすだれが、舞台上手から下手まで、ずっと春めかしく、舞台をはなやかに浮きたたせているのでございます。
— 酒井嘉七 『京鹿子娘道成寺』 青空文庫
大木の白木蓮、玉椿、槇、海棠、黒竹、枝垂れ桜、大きな花柘榴、梅、夾竹桃、いろいろな種類の蘭の鉢。
— 或は病める薔薇 『田園の憂欝』 青空文庫
寛永の何年かに邪宗門の女が斬られて、根元へ血をそそいだという中門前の枝垂れ桜は、まだ蕾が固い。
— 吉川英治 『江戸三国志』 青空文庫
春は唯この一ともとに雑沓するという老木の枝垂れ桜は葉も落ちて、ただ黒々とさながら宵寝という姿であるのを、疎らな人通りの誰顧みる者もなく、平野屋の栗めしの立て看板が夜目にも白々として、少し前までは時刻がらごった返して居たらしいのが、今は掛けつらねた提灯のみが明るく、少しは静かになった風である。
— 岩本素白 『六日月』 青空文庫
――いつか、私たちは高い石段をのぼり切ッて、大きな枝垂れ桜を前にした安国寺の一禅室へ入っていた。
— 吉川英治 『随筆 私本太平記』 青空文庫
○シダレザクラ(一名イトザクラ)Prunus Itosakura Sieb. = P.pendula Maxim. 右に挙げた三主品がすなわち彼岸ザクラの一グループをなしているが、これに附属する園芸的変種を算うるとそこに多くの異品がある。
— 牧野富太郎 『植物記』 青空文庫
ヒガンザクラ(縮図) ウバ彼岸から園芸的に変って出来たものにシダレザクラ、一名イトザクラがある。
— 牧野富太郎 『植物記』 青空文庫