母性的
ぼせいてき
名詞
標準
文例 · 用例
そこに母性的の威容と逞ましい闘志とを潜ましている。
— 岡本かの子 『渾沌未分』 青空文庫
まきには落着いた母性的の分別が備はつて、姿形さへ優しく整ふし、ひろ子にはまた、しほらしく健気な娘の性根が現はれて来た。
— 岡本かの子 『蔦の門』 青空文庫
リサに言わせると遊び女は母性的な彼女の性格には一番|相応しい職業だといっている。
— 岡本かの子 『巴里祭』 青空文庫
彼女は其の後だん/\奇嬌な態度を剥いで持ち前の母性的の素質を現して来たが、折角同棲した若いフェルナンドに死なれてから男に対して全く憐れみ一方の女となった。
— 岡本かの子 『巴里祭』 青空文庫
自分は蝶ちゃん一個の女の上に単に遅速というが如き二つの相対の関係ばかりでなく、そこに娘らしさも、童女らしさも、母性的なものも、いろ/\と認めるのである。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
その母性的の博愛を誰も男一人で独占することは出来ません。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
去年の秋、田舎から出て来た女中のお民は年も五十近くで、母性的な性質が京子の面倒をよく見て呉れた。
— ――二つの連作―― 『春』 青空文庫
だが、お民の母性的注意深さも、それには敗けて居ず、今日も京子の後からついて来た。
— ――二つの連作―― 『春』 青空文庫