床框
とこがまち
名詞
標準
文例 · 用例
それ故に、床框の内部に畳または薄縁を敷くことは「いき」ではない。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
柱と貫木とをもつて、苗床の床框が成るわけだつた。
— 島木健作 『續生活の探求』 青空文庫
大急ぎで全部の薦を取り去り、まるめてわきへ片附けてから、床框の上へ膝を乘せてしやがみ、上からのぞき込むやうにして、何時迄も飽かず眺めてゐた。
— 島木健作 『續生活の探求』 青空文庫
糸柾の檜の柱や、欄間の彫刻や、極彩色の模様画のある大きな杉戸や、黒柿の床框などの出来ばえを、上さんは自慢そうに、お島に話して聞せた。
— 徳田秋声 『あらくれ』 青空文庫
たとえば床脇の窓の刳り方、落懸の深さ、床框の高さなど、一つ/\に眼に見えぬ苦心が払われていることは推察するに難くないが、分けても私は、書院の障子のしろ/″\としたほの明るさには、ついその前に立ち止まって時の移るのを忘れるのである。
— 谷崎潤一郎 『陰翳礼讃』 青空文庫
法師丸は、先に蹈み出した小姓の挙動を見守っていて、その片足が床框へかゝった刹那に、不意に五六尺の距離を進んで一刀を浴びせた。
— 谷崎潤一郎 『武州公秘話』 青空文庫
畳一畳ほどを隔てた隅に立ちすくんでいたものが猛然と斬って出たゝめに、小姓ははっとして蹈みかけた足を退こうとしたので、ほんの床框だけの高さが法師丸に利をもたらした。
— 谷崎潤一郎 『武州公秘話』 青空文庫
深く、肋へかけたその切ッ先は、ななめに通った床框の一端にポトッ――と赤い糸をひいていました。
— 吉川英治 『江戸三国志』 青空文庫