巣口
すぐち
名詞
標準
文例 · 用例
「ドレドレ」「それ、覘いをつけてみろ」「うむ」 金蔵は鉄砲を取り直して構えてみたが、支え切れないと見えて、小土手へ銃身を置いて、目当と巣口を真直ぐに、向うから来る旅人に向けてみましたが、「やあ、速い、速い、恐ろしく足の早い奴だよ」 なるほど、向うから来る旅人の足の速力は驚くべきものです。
— 三輪の神杉の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
土手へ鉄砲を置いた時に弥次郎兵衛ほどに小さかった姿が、巣口を向けた時は五月人形ほどになり、速い、速いと驚いた時は、もう眼の前へ人間並みの姿で現われています。
— 三輪の神杉の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
そして、鉄砲の巣口の方をつかんで、左右の手に一挺ずつ水平に上げて、「こう片手に支えられる程の目量なら、かくの如くに、自由になりましょう」 と、立膝になると、左右の手を甲乙なく振り廻して見せた。
— 吉川英治 『随筆 宮本武蔵』 青空文庫