搗臼
つきうす
名詞
標準
文例 · 用例
さるやかにが出て来たりまた栗のいがや搗臼のようなものまでも出て来るが、それらは実はみんなやはりそういう仮面をかぶった人間の役者の仮装であって、そうしてそれらの仮装人物相互の間に起こるいろいろな事件や葛藤も実はほんの少しばかりちがった形で日常にわれわれの周囲のどこかに起こっていることなのである。
— 寺田寅彦 『さるかに合戦と桃太郎』 青空文庫
その他に五輪塔が澤山あつたが、此處に珍らしく餅搗臼を茶碗くらゐの形にちぢめた水入れの、水鏡を淺く取つた石が塔の前に置いてあつた。
— 室生犀星 『京洛日記』 青空文庫
階下には、米搗臼だの、篩だの奥には又ぎっしり俵が積み込んであるが、梯子を上ると、四坪ほどの床に筵が敷いてあって、行燈もある、火鉢もある、茶も沸く。
— 吉川英治 『新編忠臣蔵』 青空文庫
普通に「地がら」と呼ぶ地面へはめこんだ石の搗臼、是も『続猿蓑』には、一石踏みしから臼の米 沾圃などという句があるから、当時すでにこの「地がら」をもそう謂っていたのである。
— 柳田国男 『木綿以前の事』 青空文庫
七 搗臼で粉を造ることは、今から考えると煩わしい作業であった。
— 柳田国男 『木綿以前の事』 青空文庫
その臼には大小の種類があって、米麦でいうならば粡搗から精白を経て、是を粉にしてしまうまで、以前はことごとく搗臼の作業であった。
— 柳田国男 『木綿以前の事』 青空文庫
石の挽臼が行き渡らなかつた世には、搗臼によつて得られる小麥粉の量は少なく、麩になり生麩になる部分が今よりも遙かに多いので、フスマも當然に食料の中に入れなければならなかつたのである。
— 柳田國男 『食料名彙』 青空文庫
石の挽臼が行き渡らなかった世には、搗臼によって得られる小麦粉の量は少なく、麩になり生麩になる部分が今よりもはるかに多いので、フスマも当然に食料の中に入れなければならなかったのである。
— 柳田國男 『食料名彙』 青空文庫