豁然
かつぜん
副詞-と形容詞-たる
標準
(open up) suddenly (of a view)
文例 · 用例
早朝、練兵場の草原を踏みわけて行くと、草の香も新鮮で、朝露が足をぬらして冷や冷やして、心が豁然とひらけ、ひとりで笑い出したくなるくらいである、という家内の話であった。
— 太宰治 『美少女』 青空文庫
何故なら、かみ手は、然うして山が迫つて、流も青く暗いのに、橋を境に下流の一方は、忽ち豁然として磧が展けて、巖も石も獲ものの如くバツと飛ばして凄いばかりに廣く成る。
— 泉鏡太郎 『飯坂ゆき』 青空文庫
けれども、一夜、転輾、わが胸の奥底ふかく秘め置きし、かの、それでもやっと一つ残し得たかなしい自矜、若きいのち破るとも孤城、まもり抜きますとバイロン卿に誓った掟、苦しき手錠、重い鉄鎖、いま豁然一笑、投げ捨てた。
— 太宰治 『創生記』 青空文庫
言ふまでも無く、其の面影、其の姿は、古城の天守の囚と成つた、最惜い妻を其のまゝ、と豁然として悟ると同時に、腕には斧を取る力が籠つて、指と指とは鑿を持たうとして自然で動く――時なる哉、作の頭に飾るが如く、雲を破つて、晃々と星が映つた。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
凡てのものを蔑視したる彼は今、女性の真美を感得せり、血肉あるの女性は血肉の美を示せども、天地の至妙を示すものにあらず、始め貞操を以て辞せしものも、人間を嘲罵する彼の心絃には触れざりしを、この際に於て豁然悟発して、人間に至真の存するあるを暁らしめたり。
— 北村透谷 『心機妙変を論ず』 青空文庫
外へ出ると豁然とひらけて、前は木曾の大河である。
— 北原白秋 『木曾川』 青空文庫
只初めは小児のやうに歓喜に燃えてゐた心が次第に四方鬱悶の苦しみとなり、遂に豁然として一脈の法悦味を感じ得たと信ずるそれ迄の道程は、本集に於て初めより終まで殆正しい系統を追つて、順序よく採録されてある。
— 北原白秋 『雲母集』 青空文庫
彼小家の前に立って望めば、右手に上野の山の端が見え、この端と向岡との間が豁然として開けて、そこは遠く地平線に接する人家の海である。
— 森鴎外 『細木香以』 青空文庫
作例 · 標準
山道を登りきると、目の前に大海原が豁然と広がった。
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狭い森を抜けた先に、豁然と開けた牧草地が現れた。
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長い議論の末、全員の疑問が氷解し、豁然と解決策が見えた。
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トンネルを抜けると、豁然と別世界のような景色が広がっていた。
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標準
(disappear) suddenly (of doubt, hesitation, etc.)
作例 · 標準
彼の説明を聞いて、長年の疑問が豁然と氷解した。
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彼女の一言で、私の心にあった迷いが豁然として消え去った。
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困難な問題だと思っていたが、ふとした瞬間に解決策が豁然とひらめいた。
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