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単衣

ひとえぎぬ
名詞
1
標準
unlined kimono worn as an undergarment by court nobles
文例 · 用例
その日、私は馬場との約束どおり、午後の四時頃、上野公園の菊ちゃんの甘酒屋を訪れたのであるが、馬場は紺飛白の単衣に小倉の袴という維新風俗で赤毛氈の縁台に腰かけて私を待っていた。
太宰治 ダス・ゲマイネ 青空文庫
山深き暁のながめ、しんしんとして物一つ動かぬ静かさは膚にしみわたりて単衣に寒さを覚えたり。
伊藤左千夫 滝見の旅 青空文庫
それが今夜のお徳に取り分けて侘しくきこえて、洗いざらしの単衣の襟がなんだか薄ら寒く感じられた。
むらさき鯉 半七捕物帳 青空文庫
二人はそこにあったもみくしゃの単衣を汗のついたシャツの上に着て今日の仕事の整理をはじめた。
宮沢賢治 泉ある家 青空文庫
二つの溪の間へ楔子のように立っている山と、前方を屏風のように塞いでいる山との間には、一つの溪をその上流へかけて十二|単衣のような山褶が交互に重なっていた。
梶井基次郎 蒼穹 青空文庫
このまた万金丹の下廻と来た日には、ご存じの通り、千筋の単衣に小倉の帯、当節は時計を挟んでいます、脚絆、股引、これはもちろん、草鞋がけ、千草木綿の風呂敷包の角ばったのを首に結えて、桐油合羽を小さく畳んでこいつを真田紐で右の包につけるか、小弁慶の木綿の蝙蝠傘を一本、おきまりだね。
泉鏡花 高野聖 青空文庫
生ぬるい風のような気勢がすると思うと、左の肩から片膚を脱いだが、右の手を脱して、前へ廻し、ふくらんだ胸のあたりで着ていたその単衣を円げて持ち、霞も絡わぬ姿になった。
泉鏡花 高野聖 青空文庫
その時、頤の下へ手をかけて、片手で持っていた単衣をふわりと投げて馬の目を蔽うが否や、兎は躍って、仰向けざまに身を翻し、妖気を籠めて朦朧とした月あかりに、前足の間に膚が挟ったと思うと、衣を脱して掻取りながら下腹をつと潜って横に抜けて出た。
泉鏡花 高野聖 青空文庫
作例 · 標準
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ウィキペディア

単衣(ひとえ、単)とは、平安装束で着用する裏地のない着物のこと。夏季に着用する裏地のない着物。江戸時代末期以降は、麻製のものを帷子、絹製のものを単衣と称するようになった

出典: 単衣 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0