敗血
はいけつ
名詞
標準
文例 · 用例
それが、大正昭和と俳句隆盛時代の経過するうちに、栄養に富んだ食物も増し料理法も進歩したことはたしかであるが同時にビタミンの含有比率が減って来て、缶詰料理やいかもの喰いの趣味も発達し、その結果|敗血症の流行を来したと云ったような傾向がないとも限らない。
— 寺田寅彦 『明治三十二年頃』 青空文庫
」「私の見たところでは、何うも敗血病らしいですね。
— 徳田秋聲 『和解』 青空文庫
上海へ行つた杉枝が二年目に敗血症で亡くなり、思ひがけなく、登美子は母と二人で上海へ旅立つ事になつた。
— 林芙美子 『婚期』 青空文庫
あの時、元気で私達の側に姿を見せていた人達も、その後敗血症で斃れてゆくし、何かまだ、惨として割りきれない不安が附纏うのであった。
— 原民喜 『廃墟から』 青空文庫
あの時、元気で私達の側に姿を見せてゐた人達も、その後敗血症で斃れてゆくし、何かまだ、惨として、割りきれない不安が附纏ふのであつた。
— 原民喜 『廃墟から』 青空文庫
「工合がよくなければ、早くちゃんとしなくちゃ」「うん」「ここのマダム、誰か、ちゃんとしたお医者を知っていないかしら」 磯崎恭介が歯をぬいたばかりで敗血症になり、一晩のうちに死んでから、伸子は行きずりのパリの医者のすべてに信用がもてないのだった。
— 宮本百合子 『道標』 青空文庫
病は敗血症と腸炎の併発、事極めて意外、病勢は急転直下、僅かに二十時間にして彼女は去る。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
それでもどうやらすこしずつもちなおし、あやうく命だけはとりとめましたが、敗血症脳炎のためにとうとう精神に異常をきたし、郊外のなんとかいう脳病院へ入院したということでしたが、その後、生きているのか死んでいるのかいっこう消息をきかぬようになってしまいました。
— 久生十蘭 『ハムレット』 青空文庫