来患
らいかん
名詞
標準
文例 · 用例
或日父は近頃にない早く、外来患者も病室の方も済まして、表の間の卓に頬肘を突いた儘、縁先の河鹿の鉢をヂツと瞶めてゐた。
— 中原中也 『その頃の生活』 青空文庫
結婚したときかされ、外来患者用のベンチに腰を下ろしたまま暫くは動けなかった。
— 織田作之助 『放浪』 青空文庫
結婚したときかされ、外来患者用のベンチに腰を下ろしたまゝ暫くは動けなかった。
— 織田作之助 『放浪』 青空文庫
もう少しの辛防です」 これよりほかに云いようのなかった医者は、外来患者の方がまだ込み合わないためか、そこへ坐って二三の雑談をした。
— 夏目漱石 『明暗』 青空文庫
その廊下には、大きな診察室兼手術室が、会計室と、外来患者室と、薬局とに向い合って並んでいたが、その薬局の前の廊下をモウ一つ右に曲り込むと、手術室と壁|一重になった標本室の前に出るのであった。
— 夢野久作 『一足お先に』 青空文庫
重態の脳膜炎患者の手術に疲れ切った私は、外来患者の途絶えた診察室の長椅子に横たわって、硝子窓越に見える横浜港内の汽笛と、窓の下の往来の雑音をゴッチャに聞きながらウトウトしておりますと、突然に玄関のベルが鳴って、一人の黒い男性の影が静かに辷り込んで来ました。
— 夢野久作 『少女地獄』 青空文庫
ちょうど二人雇っていた看護婦ではすこし手が足りないかも知れない……と話合っていたところだったので、早速、外来患者室に通して、私と三人で面会して一応の質問と観察をこころみた。
— 夢野久作 『少女地獄』 青空文庫
丁度大学病院の外来患者の診察札を争うような騒ぎであったそうだ。
— ――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド―― 『淡島椿岳』 青空文庫