芋刺し
いもざし
名詞
標準
文例 · 用例
その左側の頁には、大身槍を振った髑髏人が、一人の騎士の胴体を芋刺しにしている図が描かれ、また、その右側のは、大勢の骸骨が長管喇叭や角笛を吹き筒太鼓を鳴らしたりして、勝利の乱舞に酔いしれている光景だった。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
そちが一尺寄って来れば、この刀は女の首を芋刺しに畳を突き通すのだ。
— 林不忘 『煩悩秘文書』 青空文庫
そうしてその上の方の幹が手前へすべって下に落ちたとき、その尖端が私の左の足を芋刺しにしておりました。
— 小酒井不木 『猫と村正』 青空文庫
その時の代表の今の四人が奥室に進み、あとの六人は別室に控えていたが、いよいよ夕方まで待たされて、退屈を極めている途端を、不意にその四人の代表の後ろの襖からの電光の如く槍が突き出されて、四人とも芋刺し。
— 京の夢おう坂の夢の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
敵はそうとは知らないからもう一息で芋刺しに、と夢中で追う。
— 飛燕流開祖 『落語・教祖列伝』 青空文庫
大黒屋の伜の清五郎は、少し智惠が足りない上に醜男で、お北をうるさく追ひ廻して居りましたが、今朝見るとお北お吉の寢てゐる二階の窓の下、丁度|庇から羽目へかけての修復で、足場を組んだ眞下に、長いので胴から首へ、芋刺しに貫かれて死んでゐたといふのでした。
— 罠 『錢形平次捕物控』 青空文庫
――大抵の者なら芋刺しになるところだつたが、御浪人は、腕が良いから、サツとかはした。
— 毒酒 『錢形平次捕物控』 青空文庫
お前は怒っているのか、――ハ、ハッハッ、猿轡が気に入らないんだろう、よしよし解いてやる、その代り、間違っても大きい声を出すと、一と思いに芋刺しだよ」 亥太郎はそう言いながら、立ち上がってお珊の猿轡を解きました。
— お珊文身調べ 『銭形平次捕物控』 青空文庫