空濛
くうもう
名詞
標準
文例 · 用例
「ここを過ぎて空濛の淵。
— 太宰治 『道化の華』 青空文庫
驛を離れて峠に懸るに、杉樹次第に路傍に深く、一歩は一歩より前なる高原の風景を失ひ、峠に達すれば、山樹|空濛として、四|顧只雲烟。
— 田山花袋 『秋の岐蘇路』 青空文庫
氣息喘々、纔かに山樹空濛たる間を過ぐれば、やがてわが前には、渺々たる小笹原、限りもなく顯れ出づ。
— 田山花袋 『日光山の奧』 青空文庫
連日空濛望不開、逆風捲海浪花堆、船長有報人欹耳、無線電伝音信来。
— 井上円了 『南半球五万哩』 青空文庫
未梅雨に入らざるに烟雨空濛たり。
— 断腸亭日記巻之三大正八年歳次己未 『断腸亭日乗』 青空文庫