初菊
はつぎく
名詞
標準
first chrysanthemum of the year
文例 · 用例
十段目に、初菊が、あんまり聞えぬ光よし様とか何とかいうところで品をしていると、私の隣の枡にいた御婆さんが誠実に泣いてたには感心しました。
— 夏目漱石 『虚子君へ』 青空文庫
けれどもその面白味はあの初菊という女の胴や手が蛇のように三味線につれて、ひなひなするから面白かったんで、人情の発現として泣く了簡は毛頭なかったんです。
— 夏目漱石 『虚子君へ』 青空文庫
中村鴈治郎はこのとき初めて上京して、中幕の十次郎を勤め、光秀は団十郎、皐月は寿美蔵、操は福助、初菊は新蔵、久吉は権十郎という顔触れであった。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫
十次郎はすっかり初菊に食われてしまった――これは新蔵|贔屓のわたしばかりでなく、世間一般の口から洩らされた失望の声であった。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫
新劇協会の運動は、様々な事情で長くは続かなかつたが、最初菊池の手を離れ、ついでプリマドンナ伊沢蘭奢が病死するに及んで、協会は解散したけれども、私と岩田は、関口と語らつて、その研究所だけを承け継ぐことにした。
— 岸田國士 『岩田豊雄と私』 青空文庫
それもおもに女物ばかり入れてあったと見えて、初菊のかんざしだの、みさおの打かけだのというのが、半分は水びたりになっている。
— 胆吹の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
そうするとつづいて、「こいつは、たまらねえ」 その長持の、初菊や、みさおの衣裳の中が、急にもぐもぐと劇しく動いたかと見ると、いきなり、その中から這い出したものがありました。
— 胆吹の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
それに舞台の照明と云うのが、脚光もなければ特別な装置があるのでもなく、同じ裸電燈が天井から垂れているばかりなので、やがて太功記十段目が開くと、人形の顔の胡粉が一度にきらきらと反射し出して、十次郎も初菊もまともに見ることが出来ないような奇観を呈した。
— 谷崎潤一郎 『蓼喰う虫』 青空文庫
作例 · 標準
庭に初菊が咲き始め、秋の深まりを感じる。
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初菊を飾って、部屋に季節感を取り入れた。
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彼女は初菊の美しさに目を奪われた。
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