訣
わけ
名詞
標準
文例 · 用例
幼い訣とは思うが何分にも忘れることが出来ない。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
そんな訣から一寸物に書いて置こうかという気になったのである。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
民子は真面目になって、お母さんが心配して、見てお出で見てお出でというからだと云い訣をする。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
人が何と云ったって、私等は何の訣もないのに、何か大変悪いことでもした様なお小言じゃありませんか。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
母は俄にやさしくなって、「お前達に何の訣もないことはお母さんも知ってるがネ、人の口がうるさいから、ただこれから少し気をつけてと云うのです」 色青ざめた母の顔にもいつしか僕等を真から可愛がる笑みが湛えて居る。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
それだって民さんに不足を云う訣ではないよ」 民子はせきこんで、「そんな事いうはそりゃ政夫さんひどいわ、御無理だわ。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
三日前には、お母さんが叱れば私が科を背負うから遊びにきてとまで無茶を云うた僕が、今日はとてもそんな訣のものでない。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
十五日がこの村の祭で明日は宵祭という訣故、野の仕事も今日一渡り極りをつけねばならぬ所から、家中手分けをして野へ出ることになった。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫