悪男
あくだん
名詞
標準
文例 · 用例
性悪男8・26(夕) ある婦人が市街を歩いてゐると、一人の男が横合から飛び出して来て、じつと婦人の顔を見てゐたが、暫くすると黙つて婦人の跡をつけた。
— 大正五(一九一六)年 『茶話』 青空文庫
この声は我が中学の体操教師、須山といふ予備曹長で、校外監督を兼ねた校中第一の意地悪男の声であつた。
— 石川啄木 『葬列』 青空文庫
面会所のそばの、自分の番の来るのを待っている間入れて置かれる、一室二尺四方ばかりの俗にシャモ箱という小さな板囲いの中には、「極悪男三郎速かに斬るべし」というような義憤の文句が、あちこちの壁に爪で書かれていた。
— 大杉栄 『獄中記』 青空文庫
本来が机竜之助という男は美男子であったか、悪男子であったか、そのことはよくわからない、よく女に惚れられた男であるか、嫌われた男であるか、そのこともよくわからないのです。
— 弁信の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
「エッ、世話を焼かせる」 善悪男女六人、銘々、思い思いの感動にひたり乍ら、もう一度暗い段々を辿って明るみへ出ました。
— 野村胡堂 『古銭の謎』 青空文庫
その話というのは、―― 綾吉は名題の性悪男で、地紙売を商売にしながら、何人となく女を拵えました。
— 綾吉殺し 『銭形平次捕物控』 青空文庫
どうせ江戸一番の性悪男だから、お嬢さんと縒を戻したか、でなきゃア新しい女でも拵えたんでしょう」「有難う、お喜多さん、それで大方筋が解ったよ。
— 綾吉殺し 『銭形平次捕物控』 青空文庫