白旄
はくぼう
名詞
標準
文例 · 用例
川向うの茫洋たる砂漠には、成吉思汗軍の天幕、椀を伏せたように一面に櫛比し、白旄、軍旗等|翩翻として林立するのが小さく俯瞰される。
— ――市川猿之助氏のために―― 『若き日の成吉思汗』 青空文庫
嘗て、戟を横へて、洛陽に源氏の白旄軍を破れる往年の髭男も、一朝にして、紅顔涅歯、徒に巾幗の姿を弄ぶ三月雛となり了ンぬ。
— 芥川龍之介 『木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)』 青空文庫
革命軍の鋭鋒、当るべからざるを聞ける宗盛は、是に於て、舞楽の名手、五月人形の大将軍右近衛中将平維盛を主将とせる、有力なる征北軍を組織し、白旄黄鉞、粛々として、怒濤の如く来り迫る革命軍を、討たしめたり。
— 芥川龍之介 『木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)』 青空文庫
源軍首を得らるゝもの三千余級、白旄地に委して、平軍の意気大に振ふ。
— 芥川龍之介 『木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)』 青空文庫
寿永三年正月、彼が、股肱の臣樋口次郎兼光をして行家を河内に討たしむるや、兵を用ふること迅速、敏捷、元の太祖が所謂、敵を衝く飢鷹の餌を攫むが如くなる、東軍の飛将軍、源九郎義経は、其慣用手段たる、孤軍長駆を以て、突として宇治に其白旄をひるがへしたり。
— 芥川龍之介 『木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)』 青空文庫
式場に三重の壇を築き、五方に旗を立てて、白旄、黄鉞、兵符、印綬などを捧持する諸将の整列する中を、袁紹は衣冠をととのえ、剣を佩いて壇にのぼり、「赤誠の大盟ここになる。
— 群星の巻 『三国志』 青空文庫
中にも白旄黄鉞の燦々たる親衛兵にかこまれている白馬金鞍の大将こそ、すなわち曹操その人であろう、青羅の傘蓋は珠玉の冠のうえに高々と揺らいで、威風天地の色を奪うばかりだった。
— 赤壁の巻 『三国志』 青空文庫
そのすさまじさに、曹操の周囲を守っていた者どもは、思わず傘蓋を取り落したり、白旄黄鉞などの儀容を崩して、あッとふるえおののいた。
— 赤壁の巻 『三国志』 青空文庫