天鵞絨
ビロード
名詞頻度ランク #44355 · 青空 448 例
標準
velvet
文例 · 用例
天鵞絨と紐釦がむやみに多く、色は見事な銀鼠であって、話にならんほどにだぶだぶしていた。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
レンコオトも帽子もなく、天鵞絨のズボンに水色の毛糸のジャケツを着けたきりで、顔は雨に濡れて、月のように青く光った不思議な頬の色であった。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
大隅君は独り息子であるから、ずいぶん可愛がられて、十年ほど前にお母さんが死んで、それからは厳父は、何事も大隅君の気のままにさせていた様子で、謂わば、おっとりと育てられて来た人であって、大学時代にも、天鵞絨の襟の外套などを着て、その物腰も決して粗野ではなかったが、どうも、学生間の評判は悪かった。
— 太宰治 『佳日』 青空文庫
私の机上には、有り合せの玻璃瓶に、菜の花が投げ込んである、これは弟に捜させて、採って来たものである、天鵞絨のように、手障りの柔らかな青い葉が、互い違いになって、柱のような茎を取りまいて居る、此柱の頭から、莟みが花傘なりに簇がって、蛹虫の甲羅のように、小さく青く円くなっている。
— 小島烏水 『菜の花』 青空文庫
赤い天鵞絨の頭巾をかぶったちひさな子が、毛布につつまれて窓の下の飴色の壁に上手にたてかけられ、まるで寢床に居るやうに、足をこっちにのばしてすやすやと睡ってゐます。
— 宮澤賢治 『氷と後光』 青空文庫
台の上には緋の天鵞絨に金糸の繍ある立派なる帛を投げ掛けあり。
— ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 『家常茶飯』 青空文庫
彼は天鵞絨の鞍のなかで徐々に衰弱してゐるやうに見える。
— ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 『旗手クリストフ・リルケ抄』 青空文庫
そしてそれから、一八八〇年代の天鵞絨の長い外套をきて、使ひ古しの帽子の上に造花の薔薇をつけ(その帽子の下からは毛髮の束がはみ出してゐました)、足早に人々の間を通り拔けてゆく老婆たちもありました。
— ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 『巴里の手紙』 青空文庫
作例 · 標準
その劇場の緞帳は、重厚な深い赤の天鵞絨でできていた。
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ビロードのような手触りの苔が、庭園の岩肌を覆っている。
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祖母は大切な時だけ、この天鵞絨のコートを羽織って外出した。
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