とでもない
とでもない
形容詞
標準
unthinkable
文例 · 用例
訃報を受取ることも、さう珍しいことでもないが、同年配の人の訃報を受取ることはまことに珍しい。
— 中原中也 『逝ける辻野君』 青空文庫
かくて人々は、それを時代のせゐに帰したりするのだが、それとて十分の根拠を有することでもない。
— 中原中也 『撫でられた象』 青空文庫
単なる意志だけで為されたことは、為されたその時だけホンの瞬間熱病的に嬉しいかも知れなくても、なんの意義あることでもないし、人を喜ばすことでもない。
— 中原中也 『撫でられた象』 青空文庫
勿論暗くなつたればとて、他人様にまで八ッ当りを始められる程の自分なら何を書かう程のことでもないけれど、暗くなると却て明るい真似をしてみたり急に他人本位になつたりしなければならない上に、それでゐて結局人からもさういふ時はやつぱり此奴暗いと見て取られてしまふからには、なんとも馬鹿化た話なんだ。
— 中原中也 『私の事』 青空文庫
大したことでもないけれど、家庭的な悲劇といふものを何時も目の前にしてゐなければならない私は、そしてその悲劇なるものが常に我々のセンチメントのために悲劇であると観た私は、自分が人一倍感傷家であるといふことが歯痒ゆかつた。
— 中原中也 『その頃の生活』 青空文庫
と書きたてるほど大げさなことでもないのに、それをそれほど有名にしたのは、まつたく、その男の――つまり、その歴史の時間での先生である溝口文学士の性格によるのでした。
— 岡本かの子 『ある男の死』 青空文庫
それができないことでもない。
— 宮沢賢治 『疑獄元兇』 青空文庫
山崎にも感想を書いて送ろうかとしたが、それほどのことでもないと考えてやめてしまった。
— 九鬼周造 『かれいの贈物』 青空文庫