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小蕪

こかぶ
名詞
1
標準
文例 · 用例
青梅もまだ苦い頃、やがて、李でも色づかぬ中は、実際|苺と聞けば、小蕪のように干乾びた青い葉を束ねて売る、黄色な実だ、と思っている、こうした雪国では、蒼空の下に、白い日で暖く蒸す茱萸の実の、枝も撓々な処など、大人さえ、火の燃ゆるがごとく目に着くのである。
泉鏡花 朱日記 青空文庫
糠味噌に漬けた小蕪と鹽鮭の切身が一つ、その上に乘つてゐる。
島木健作 生活の探求 青空文庫
小蕪、白菜、醤油、等々、今日の庵は物資豊富である、ありがたう、すみません。
種田山頭火 其中日記 青空文庫
例之ば午、吸物摘入、小蕪菁、椎茸、平昆布、大口魚、鱠、千六本貝の柱、猪口はり/\、焼物生鮭粕漬、夕、吸物牡蠣海苔、口取蒲鉾卵|橘飩青海苔を塗したる牛蒡鯛の小串、刺身|比目魚黒鰻、大平鯛麪、旨煮烏賊牛蒡|土当帰、概此類であつた。
森鴎外 伊沢蘭軒 青空文庫
アンリエットはさきからにこにこしながら、美しい前歯で前菜の赤い小蕪を噛んでいたが、饂飩のようなスパゲッティが湯気を立てて出て来ると巧にフォークへ巻きつけた。
横光利一 旅愁 青空文庫
玄關の二疊には、小説で讀まされて舊知の感のある、近所の酒屋の爺さんの好意からだと言ふ、銘酒山盛りの菰冠りが一本据ゑてあつて、赤ちやんをねんねこに負ぶつた夫人が、栓をぬいた筒口から酒をぢかに受けた燗徳利を鐵瓶につけ、小蕪の漬物、燒海苔など肴に酒になつた。
嘉村礒多 足相撲 青空文庫
そうしてその町の右側に、一軒の小さな八百屋があって、明く瓦斯の燃えた下に、大根、人参、漬け菜、葱、小蕪、慈姑、牛蒡、八つ頭、小松菜、独活、蓮根、里芋、林檎、蜜柑の類が堆く店に積み上げてある。
芥川龍之介 青空文庫
」 彼女は畠にはいりこんで、キャベツや大根や小蕪をぬいた。
豊島与志雄 波多野邸 青空文庫