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渡廊

わたりろう
名詞
1
標準
文例 · 用例
あとの二分を俯瞰すると、前方が中庭をはさんで並行した別の病棟で、西方に渡廊下をもって右折して続いた医務室などの建物があり、東方には病院の裏門が眼近に迫っていた。
鷹野つぎ 青空文庫
私は香ぐわしい空気を呼吸しながら、レントゲン室や、医務室の渡廊下を過ぎ左折して、しめやかな気の湛うている第二病棟の廊下を踏んだ。
鷹野つぎ 草藪 青空文庫
先生は渡廊下で続いている書斎におられる。
森鴎外 ヰタ・セクスアリス 青空文庫
縁側からその便所へは一跨ぎの渡廊下がついていて、昼見ると下には清水の流れている小溝があって石菖などが生えていた。
田中貢太郎 料理番と婢の姿 青空文庫
渡廊下の前には寒竹のような小さな竹で編んだ眼隠がしてあった。
田中貢太郎 料理番と婢の姿 青空文庫
チエッ、わしゃつらいテ」 なんかとガヤガヤやっている時、お蓮さまは、悠然たる源三郎の手を持ち添えぬばかりに、やがて案内してきたのは、細い渡廊をへだてた奥庭の離庵です。
こけ猿の巻 丹下左膳 青空文庫
雨の日は広い宿屋じゅうがひっそりして、廊下に出ると、木端葺きの湯殿の屋根から白く湯気の立ち騰るのや崖下の渡廊下を溜塗りの重ね箱をかついだ束髪の菓子売りが、彼方の棟へ渡って行くのなどが見える。
宮本百合子 夏遠き山 青空文庫
髪をぐるぐる巻きにして、セルの上へ袷羽織を着た久保は、やせた肩越しに、朝子を振り返り、「私の方も見て下さい、そりゃ私、骨を折っているんですよ」 渡廊下の踏板を越えながら云った。
宮本百合子 一本の花 青空文庫