気病み
きやみ
名詞
標準
文例 · 用例
それが気病みとなって、ほどなく母は、私を残してこの世を去ってしまいました。
— 小栗虫太郎 『紅毛傾城』 青空文庫
けれども、おはまはどうしても我が子のことが思い切れないで、それから気病みのようになって二、三年ぶらぶらしているうちに、主人から貰った金も大抵遣ってしまって、まことに詰まらないことになりました。
— 少年少女の死 『半七捕物帳』 青空文庫
お鉄はその後一種の気病みのように床について、ことしの三月にとうとう死んだ。
— 岡本綺堂 『慈悲心鳥』 青空文庫
さなきだにふだんからかよわいからだの女房は苦労の重荷に圧しつぶされて、その明くる年の春に気病みのようなふうで脆く死んでしまった。
— 岡本綺堂 『心中浪華の春雨』 青空文庫
そうして中気病みのようにわななく手を左のポケットに突込んで、新しい手の切れるような二十円札を一枚、私の前に差し出した。
— 夢野久作 『暗黒公使』 青空文庫
私は実に自分が中気病みででもあるかの如く、町や室中をよろめき歩いた。
— 松永延造 『職工と微笑』 青空文庫
自分はやはり、結局、こんな工合で中気病みを続けた丈なのである。
— 松永延造 『職工と微笑』 青空文庫
そんな時に、奉公先から片附けてもらって或る小間物屋の女房になって居たお駒が、顔に出来た腫物のために死んだ夫の一週忌もすまない内にその後を追いかける様にして自分も気病みが元で死んで仕舞った事は種々な点でお関を困らせた。
— 宮本百合子 『お久美さんと其の周囲』 青空文庫