魚入れ
さかないれ
名詞
標準
文例 · 用例
ほえから元氣出さないかんわいおもて、持つていたかんてきに火一杯いこして、鍋に魚入れてグツ/\たきながら、火燗の熱いやつをやつてたんや。
— 上司小劍 『太政官』 青空文庫
十ヶの八百やザル、十ヶの魚入れなどを、もう一人の当番と各戸から集めました、朝九時頃。
— 一九四四年(昭和十九年) 『獄中への手紙』 青空文庫
おまっちゃんは糸で編んだ網に入れてある、薄い硝子の金魚入れから水が洩って廻るように、丸い大きな眼に涙を一ぱい溜て堪えていた。
— 長谷川時雨 『源泉小学校』 青空文庫
それよりももっと、幼年時代、新京極あたりの賑やかな町を通っても、金魚店の前に立っているだけで、自分で思うように、しゃくって買った覚えのない、丸い硝子玉の金魚入れがほしかった事を、思い出すともなく思いだしていた。
— 長谷川時雨 『モルガンお雪』 青空文庫
彼は渋面をしながら、重い金魚入れを下げて、足を早めた。
— 豊島与志雄 『金魚』 青空文庫
片手で吊革につかまりながら、片手でやたらに肱を張って、金魚入れをかき抱くようにした。
— 豊島与志雄 『金魚』 青空文庫
無事に下宿の近くの停留場まで来ると、大きな金魚入れを下げては中々降りられなかった。
— 豊島与志雄 『金魚』 青空文庫
彼は人並に揺られて、金魚入れを落してしまった。
— 豊島与志雄 『金魚』 青空文庫