実歴
じつれき
名詞
標準
文例 · 用例
伊藤痴遊であったかと思う、若いのに漆黒の頬髯をはやした新講談師が、維新時代の実歴談を話して聞かせているうちに、偶然自分と同姓の人物の話が出て来た。
— 寺田寅彦 『銀座アルプス』 青空文庫
この尉官は陳列所に幾十種となく並べてある戦利品について、一々|叮嚀に説明の労を取ってくれるのみならず、両人を鶏冠山の上まで連れて行って、草も木もない高い所から、遥の麓を指さしながら、自分の従軍当時の実歴譚をことごとく語って聞かせてくれた人である。
— 夏目漱石 『満韓ところどころ』 青空文庫
これは主人の実歴談である。
— 夏目漱石 『満韓ところどころ』 青空文庫
翻って芭蕉はいかんと見ればその俳句平易高雅、奇を衒せず、新を求めず、ことごとく自己が境涯の実歴ならざるはなし。
— 正岡子規 『俳人蕪村』 青空文庫
翻つて芭蕉は如何と見ればその俳句平易高雅、奇を衒せず、新を求めず、尽く自己が境涯の実歴ならざるはなし。
— 正岡子規 『俳人蕪村』 青空文庫
定吉に至ると剣道学者で、故実歴史には通じていたが、剣技はずっと落ちていた。
— 国枝史郎 『名人地獄』 青空文庫
然も其実歴せし状況を見るがまゝに写し出すの伎倆に至つては日本詩人中彼を推して第一となさゞるを得ず。
— 山路愛山 『頼襄を論ず』 青空文庫
第三に「遺老の実歴談に就きて」である。
— 芥川龍之介 『大久保湖州』 青空文庫