馬耳
ばじ
名詞
標準
文例 · 用例
Dって、なんだいと馬耳東風、軽蔑されるに違いない。
— 太宰治 『善蔵を思う』 青空文庫
舌を燒き、胸を焦がし、生命の限り、こんのかぎりの絶叫も、馬耳東風の有樣なれば、私に於いて、いまさらなんの感想ぞや。
— 太宰治 『「地球圖」序』 青空文庫
むす子は可笑しさを前歯でぐっと噛んで、女たちの小さい反抗を小気味よく馬耳東風に聞き流すふりをしている。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
東 無理がとほれば道理引込む西 むまの耳に風 東は理もまた時ありて屈伸することを云ひて、世情の頼む可からざるを憤り、西は馬耳東風何の饗応無きを云へり。
— 幸田露伴 『東西伊呂波短歌評釈』 青空文庫
此より拿破里にゆきて、ヱズヰオに登り、汽船にて馬耳塞に渡り、南佛蘭西を遊歴すべしとなり。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
」 しかし、右門は馬耳東風と聞き流しながら、しきりと丹念に町から町へ朱線を入れていましたが、と――、不意に莞爾と笑みをみせると、気味のわるいことをぽつりといいました。
— 足のある幽霊 『右門捕物帖』 青空文庫
あっしゃもうほんとうにおこりますぜ」 しかるに、右門はいっこうに馬耳東風と聞き流しながら、しきりとなにか物色顔で同じところを行ったり来たりしていましたが、そのときはからずも人込みの中から、まだ二十ぐらいのみずみずとしたあだっぽい女の姿をみとめると、不意に鋭い口調で、ささやくように伝六へ命じました。
— なぞの八卦見 『右門捕物帖』 青空文庫
青年将校はそれを一|纏めに船に乗せて、馬耳塞をさして海へ出た。
— 大正七(一九一八)年 『茶話』 青空文庫