思い合わす
おもいあわす
動詞
標準
文例 · 用例
それを聞いても源氏はいろいろと思い合わすことがあって、目だたぬように産婦の宮のために修法などをあちこちの寺でさせていた。
— 紅葉賀 『源氏物語』 青空文庫
さりながら今より思い合わすれば、如何に盲目蛇物に怖じずとはいいながら、かかる危険|極まれる薬品を枕にして能くも安々と睡り得しことよと、身の毛を逆竪つばかりなり。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
この小切手の事件から思い合わすると、その辞書は藤野の所有から、なんらの仲介なしに、直接青木の所有に移ったのではあるまいか。
— 菊池寛 『青木の出京』 青空文庫
きょう、そうやってシャベルをもって庭へ下りて、従妹にその庭の土は凍っていて駄目だと教えられ、私は又別な感想で、十坪馬鈴薯のことを思い合わすのである。
— ――なすよしもなき馬鈴薯と綿―― 『昔を今に』 青空文庫
殊に、今度の第二回の航海に出るに当り、処女航海の経験に徴してワラタ号の船長は、非常に船の安定を気にしていたという事を思い合わすならば、此の想像は最も妥当性のあるものとなる。
— 牧逸馬 『沈黙の水平線』 青空文庫
その時はこう云う彼の言も、単に一場の口頭語として、深く気にも止めませんでしたが、今になって思い合わすと、実はもうその言の中に傷しい後年の運命の影が、煙のように這いまわっていたのです。
— 芥川龍之介 『開化の良人』 青空文庫
私の方から、それはどんなことで揉めているのかといって訊ねても、その内わけは何にもいわずに、ただ癪に触ることがあるから母のところに帰って店を休んでいる、一日も早く商売を廃めたいと言っていました」 そういって訊くと、女あるじは思い合わすような顔をして、「ああ、そうやそうや。
— 近松秋江 『霜凍る宵』 青空文庫
それと思い合わすれば、このごろお邸のうちに噂のないことではありません。
— 如法闇夜の巻 『大菩薩峠』 青空文庫